死の危険と引き換えに持ち帰った宝物〜アルプス水晶
アルプスの水晶は世界中で産出される水晶の中でも特に美しいと評価される水晶となります。
アルプスの最高峰を成す「モンブラン峰」で採られた水晶は「モンブラン水晶」それ以外の場所で採られた水晶は単に「アルプス水晶」と呼ばれます。
組織的な水晶採取が行われていないアルプスでは、その美しさは高所での危険な作業をものともせず、常に新しいポケットの発見に執念を燃やすクリスタルハンター(Strahler)達の情熱によるものであることを忘れてはいけません。
水晶が採れると既によく知られたエリアは熾烈な競争に晒されるため、より良い水晶を求めるクリスタルハンター達は、山間部のさらに奥、アクセスが非常に困難なエリアを探すことになります。
そのためにロープやテントなど様々な装備を氷河や岩肌に沿って数時間かけて苦労して運び、最適な場所を見つけるとキャンプを設営して夏の間中そこで過ごします。
そんな生活をしても良いポケットを見つけるチャンスは非常に限られ、ひと夏にせいぜいひとつかふたつ程度というレア具合。
水晶というものは岩の割れ目にできるものですから、未踏の断崖絶壁をロープを伝って懸垂しながら採取するのですが、その作業が危険に満ちた常に死と隣り合わせのものであることは想像に難く無いでしょう。
そんな危険にさらされながら、クリスタルハンター達は、美しい水晶を探すことに情熱を燃やし、見つけた美しい結晶達をリュックサックに詰めるだけ詰めて持ち帰ります。
死の危険と引き換えに持ち帰った、そんな貴重な水晶たちは、ミュンヘンミネラルショーで陳列、販売されるそうですが、「まとめて買うから安くして」などと言おうものなら「俺たちが命と引き換えに持ち帰った水晶を値切ろうというのか❗」と怒られ、そして支払いにカードを使おうとしようものならこれまた怒られるそうです。
ヒマラヤの水晶と比べアルプスの水晶は、透明感が「鋭い」印象を受けます。
水晶は全て透明なので、表現が難しいのですが、その水晶がクリアクォーツでも、スモーキークォーツでも、眺めているとこの鋭い透明感が時々ドキッとするような感動を与えてくれます。
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