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石は信頼を買うもの【偽物,偽ブランド,本物,信用,天然石,パワーストーン】

社長コラム

石は信頼を買うもの【偽物,偽ブランド,本物,信用,天然石,パワーストーン】

わたしの「生い立ち」、非常に不評なので😅、親父の生い立ちなんてどうでもいいと思われているということでちょっと今日は話題を変えようと思います。

あのですね。

天然石というものは工業製品ではありません。
もちろん「型番」も付いていないし、シリアルナンバーもついていません。

だからその石が確かにその言われている名前の石なのかというのは、「信頼」のみで保証されます。

対してミネラルショーなどで出会う業者は「一期一会」。
特に安さを売りにしている業者は気をつけたほうがいい。

売ってそのまま。

次のミネラルショーにはいないかもしれないのですから。

さらに今はインターネットで誰でも石が仕入れられる環境です。
だから自分で個人的に現地から石を仕入れて格安で売る人もいるんだと思う。
でも、自分で個人的に仕入れるとなるといくつか問題があります。

一つは言葉の壁です。

相手の母国語が英語で、自分が英語が堪能ならなんとかなると思う。
しかし、相手の母国語がヒンディー語(インドの言語)で、そして数えられるほどの英単語しか知らず、こちらも英語がカタコトだったらどうでしょうか。

石を仕入れるために必要な微妙なやりとりが一切できませんよね。

わたしも実際、当店黎明期にはインドから直接買っていたことがあるのですが、もうやりとりが大変で、全く伝わらない。
こっちが欲しい石が出てこない。
それにひたすら「No」をしていたらそのうち信頼関係が崩壊してきて、相手が嘘をついたり、約束を反故にするようになってしまい、絶交状態で現在に至ります。

そんなコミュニケーションの貧弱な状態だと例えば以下のようになります。

わたし「レムリアンオールドが欲しいんだけど」
相手「???よくわからんけど売れるならこれがそれだって言ってしまえ」

そう。

信頼関係がないばかりに売れればなんでもいいやとブランド名を語る。

まぁそうですよね。

「レムリアンオールド」というのは日本の一社の卸業者がつけた名前。
現地の業者がそんな日本のローカルな石の名称を知るわけがありません。
でも石をなんとかして売りたいと思っているから、そうだよそうだよと言ってしまいます。

さらに石の取引というのはたいていが一回限りの「ワンショット取引」です。
だから現地の石の業者との関係もその場で取引して終わり。

そんな関係だから、相手に信頼されようとか、相手が良い人だから良いものを提供しようなんて思うわけないですよね。

ということでわたしは「言語の壁」、「信頼関係の欠如」によって、現地から直接買っている業者さんは、偽物を掴まされている人が多いと思っています。

つまりその辺のありきたりの水晶なのにモンドクォーツとか。
普通のレムリアン水晶なのにレムリアンオールドと現地の業者に言われたとか。
その辺の石ころなのにフェナカイトと言われたとか。

そんなことが多いと思うのです。

さらに、確かなものを見分けて確かな石をみなさんにお繋ぎするためには、「人を見抜く力」「石を見抜く力」が必要です。

信頼できる人格か
目の前にある石は確かに本物か

人を見抜く力は、天性のものもありますが、やはり経験。
騙されて、救われてを繰り返して人は人を見抜く力を身につけます。
しかも一回で見抜くのは難しい。
わたしの尊敬する問屋の社長さんから聞いた話では、ツーソンなどのミネラルショーで信頼できる業者を探し出すために、4,5年はかかるとのことです。

石を見抜く力はそれこそ何十年というキャリアを積み重ねた結果つくものです。
だって、「本物」をよく知っている必要がありますから。

モンドクォーツの本物を知らず、ただモンドクォーツが高値で取引されているからと、モンドクォーツという言葉だけで仕入れている人は、まずまともなモンドクォーツに辿り着くことはできないでしょう。
それほどモンドクォーツは偽物が多い石。

だからこそまず自分が間違いのない本物を入手して本物を熟知している必要があるのです。

以上の理由で当店は現地調達はあまりやりません。

どこにでもありきたりの握り石などは現地調達することもありますが、そのほか、特に価値が高い石に関しては絶対に現地調達しません。

石は信頼を買うものです。

消費者心理としては「安ければ安いほどいい」ですよね?
ですが、今まで説明してきた通り、石は信頼のみで確かにその石であるということが保証されるものです。
信頼なんてどうでもいい、安ければそれでいいんだ。

…そう考える人が最も「損」をする。

それが石の世界なのです。


2025/11/23 22:00追記

上記の「信頼関係」が成立するために何が必要か図にしてみました。

確かな本物を入手するためには、「信頼の鎖」が出来上がる必要がある。

そのためにはまずは「現地の業者」が誠実な人格で、石を見分けるスキルを持った人間である必要があります。
誠実であれば偽物を売るような行為に走ることはないからです。

つぎに、卸売業者が誠実であり、現地人とのやりとりに不自由がないほどの言語的スキルがあり、偽物が出回る石業界の事情について熟知している必要があります。
さらに、現地の業者の人格を見抜く力と本物の石を見分けるスキルを持っている必要があります。

そして、当店、つまり小売店はまず誠実な人格であり、人を見抜く力を持ち、石を見分けるスキルを持った上で、その石の素晴らしさを消費者である皆様に伝えるスキルを持っている必要があります。

最後に消費者である皆様は、小売店の人間を見抜く力と、確かな石は高いという認識、さらに石というものは唯一無二のものであるという意識を持つ必要があります。

「確かな石」を世界各地から入手するには多種多様な業者と付き合い見抜いていくスキルが必要ですが、小売店がこれを行いながら、皆様に石の素晴らしさを伝えることは作業量的にも、マンパワー的にも大変困難なので、「確かな石」を皆様にお繋ぎするためには、確かな卸業者を見つけ、卸業者は「確かな石をゲットする」そして小売店である私たちは「その石の素晴らしさをお伝えすることに集中する」。

これが役割分担として最も良いと考えています。

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