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第二章内観を進めるポイント4

内観のやり方

第二章内観を進めるポイント4

『自分の環境を整える』

内観は心のなかのことだけど、外側の世界が心のなかにものすごく影響を与えています。
特に身近な家族関係や家のなかなど、そこがぐちゃぐちゃに問題だらけのまま内観だけが進むとは考えにくいと思うのです。
外側が整い、内側が整い、その変化の影響でまた外側が変わり、内側が変わり、そのように連動しながら変わっていくと思います。
自分の居心地がいい人間関係や環境を作ることは自分を知ることになります。
自分というものが分からなくてもやりたくないことをやめたり、不要なモノを捨てたりするたび自分の心と向きあうことになります。
自分で掴みにくかった自分らしさを目に見えて知ることとなり、自分らしさや考えかたの輪郭をくっきりさせる効果があります。

内観が始まったころいちばん最初に立ち上がり解決した問題がありました。
わたしは高熱があっても休まず家事をしていました。
熱が続くと夫は『休んだら?』と言ってくれます。
だけど、だからって掃除や洗濯をしてくれる様子はないのでやっぱり家事が溜まってしまいます。
だから『やらなければいけない』とわたしは答えます。
そうすると、『あとでやったらいい』って優しく言ってくるんですね。
そしたらやっぱり休めないんです。ムカムカしながら家事をやって、それから寝ていました。
そんななので夫が体調を崩して寝ていると本当に腹が立ちました。
この自分のことが本当にキライで自己嫌悪でした。
でもどうしたら優しく看病できるのか分からなかった。
女の人ってそんなもん。男の人はそんなふうって決まっている気がするうえに、うちも長年この型ができてしまっていて変えられる気がしませんでした。

わたしがまた熱を出して家事をしているとき、夫が優しさから『あとで元気になったらやったらいい』って言ってくれているのにわたしはまた不機嫌になりました。
『どうしていつも怒るのか!』って、怒ってるわたしが怒られたことがあります。
これがチャンスになりました。
『なんで分からないの!』って呆れて思ったけど、どうして怒るのかを話さないといけないとそのときは思いました。
あとでやるということは休んだ分の家事が重ねて増えるんだ、ということを話して想像してもらいました。
数日ぶんの洗濯物や数日ぶんのホコリがある掃除を病みあがりの全快じゃないときにやること。
休んだら?って言ってくれるのはうれしい。
だけど『あとは僕がやっておくから』ってそこまで言ってくれないと休めないんよ、って、やっと言えて泣きました。
夫は本当に分からないようだったので話してよかったと思いました。
これをきっかけに、言わなくても分かるでしょ!って決めつけていることや黙って抱えている不満をちゃんと話していくことが大事だと思いました。
これ以後はおたがいの考えを話すようにしています。
どうせやってくれないと決めつけて頼むこともなかったごはん作りや掃除だって、しんどいときにすなおに頼むとやってくれるようになりました。
大変さに向きあってみたら変えられたという印象的な出来事でした。

このまま自分の家事について考えました。
家事は多方面にありすぎて人それぞれ得意や不得意、好き嫌いが必ずあります。
みんなちがうのに理想の主婦や妻、母の『型』が決まっているからつらいのだと思いました。
理想の食卓の品数とか、やたらと細かい丁寧な暮らしってやつとか、みんな合わなくて、わたしは主婦だけどできないって思いました。
外に働きに行く場合は自分に合いそうな仕事を選んで仕事に就くのをヒントに、わたしもわたしに合う家事内容を考えました。
毎食の献立を考えるのが家事のなかでいちばん苦痛でした。
献立を考えるなど家事ですらないかもしれませんが、朝ごはんを食べながらお昼ごはんどうしよう?
お昼ごはんを食べながら晩ごはんどうしよう?
明日のお弁当もある。また明日の朝ごはんのこと。
買い物するものを考え、食費は限られているからそのやりくりも考えないといけない。
子どもも見ないといけないのに次々とごはんが迫ってきて考えることがありすぎて本当に消耗していました。

好きなことを考えました。
わたしはスープ作りが好きです。
やる気の高まったときに音楽をかけながらたくさん野菜を刻み豆などと煮込んでスープを作ることはワクワクします。
それで家事が楽しくなるよう好みの大きな鍋を買いました。
スープやポタージュ、お味噌汁、カレーならご機嫌さんで作れます!
これらをもとにパスタにしたりごはんと合わせたり自由に展開するようにしました。
品数はいつも少ないですがムリせず機嫌良く作るので献立を考えるストレスがかなり減りました。
わたしにとっておかずをたくさん考えるお弁当作りも困難の極みでしたがスープはこれも解決してくれました。
実際にお弁当を食べるのは夫なので夫と相談しながら決めましたが、スープを持っていくお弁当に変えました。
夫は雨に濡れることが多いので温かいスープがあるのがとってもうれしいと言いました。
お弁当にあったかいスープやお味噌汁がいつもあるならそのほかにはごはんと納豆を持っていくって夫が言いました。
お弁当に納豆なんて発想はわたしには絶対思いつかなかった。質素すぎないか人目が気になったけど、夫は納豆とお米が大好きなので毎日最高のお弁当!と言いました。
人目を気にせず自分の『最高!』を大事にする。
それを学んだ出来事でした。
そのように自分の価値観をたいせつにしながら世界を整い始めると、りきんでいたチカラが抜けていきました。
勝手に女性の比べ合いをしてがんばりすぎていたかもしれない。
もっと自分の能力や好みに合わせていこうって思いました。

『自分のモノを片付けて!』ってもう言いたくない、と家族に言いました。
掃除の前に片付けからしなくていいように収納に対してゆるゆるとモノが入れられるくらいの量にしよう、と家族全員で話しあいながら家全体の断捨離をしました。
うちの場合は服や小物など個人の持ち物が混ざらないようそれぞれの収納場所を分けました。
自分の場所に行けば自分のモノがあるという状態にして、そこから出したり戻したりはそれぞれの管理にしました。
服もそこに入るだけに減らし季節ごとの衣替えもしなくて良いようにしました。
夫もムスメも探しものが無くなり、わたしもそれに巻き込まれることが無くなりました。(けっこうこれもストレスでした)
『片付けてよ!』って怒るように言うことが減って良かったです。
家のなかでみんなのお母さんみたいなお小言を言う立場、というのがわたしはイヤになっていました。
わたしも家でゆるゆるのびのびしたい、って思い始めました。

環境が整ってくると、休日なんてぜんぜん無いことがイヤだという本音が出てきました。
最近になり『家族の休日はわたしも遊びたいし休みたい』と言ってみたら『それは当然だ』と言ってもらえました。
休日のごはんは夫が作ってくれるか買ってきてくれるようになりました。

自分に矢印を向け始めたころからイヤなことをこのようにやめていくうちにいろんなことに気づきました。
わたしは静かなのが好きです。
好きな音楽なら大きな音に浸りながら料理するのはわたしのご機嫌さんの証!
なのだけど、基本はただただ鳥の声や風の音を聴いているのが好きなのです。
ニガテな音は本当にぐったり疲労するので出かけると疲れます。
音も文字も、耳や目に入りすぎるとしんどいのでうちにはいろんな商品のパッケージはありません。
こういう質の疲労が原因で消耗し、余裕が無くなることに気づけたのはすごく良かったです!
自分について知ることを始めたらさまざまに整い良くなってうれしかったです。
消耗していたエネルギーが自分のなかに残って心にも時間にも余白が生まれました。
この余白で自分の内観を進ませたり、ふと気になった手作りに挑戦して楽しんでみたり。
エネルギーのいい循環が始まりました。

自分のきもちに向きあいながらそんなふうに家族みんなで暮らしを変えていたら夫も『大きな音で夜遅くまで音を出して(眠りたいわたしを気にせずに)ゲームしたい』っていう願いを明るく話してくれました。
余白が生まれていたわたしはそれを聞いて、ゲームなんて楽しく遊ぶことだからそりゃのびのび楽しみたいよね!と心から理解できました。
わたしは静かに過ごしたいと思いつつ家が小さいので眠る前や眠った後もゲームの音がしていることに困っていました。
ゲームの音が非常にニガテでした。
夜は静かにしてくれようとしてイヤホンをしてくれるのですがけっこうコントローラーの音がカチャカチャなっているし、ゲームの画面がまぶしくて目が覚めてしまうことに本当に悩みながら我慢し続けていたのでした。

明るく考えよう!
可能か不可能かは考えずに明るく望みを出すことから始めよう!
いつもこのように自由に提案、発想します。
今回の話しあいでわたしの寝場所をリビングに移動しました。
理想的なわたしの部屋ではないけれど、わたし専用の棚を置きわたしのモノだけを集めて眠る空間がうれしい!って思いました。
近くの窓に好きな布をかけました。布団に寝転ぶと意外と布のすきまから星空やお月さまが見えてテンションが上がりました。
わたしの天然石たちはみんなリビングとすぐ近くの台所にいるので『石たちみんなと眠りたい』願いも叶えられました。
眠る前には静かに心を鎮めたいと思っていたことも叶えられて、朝まで深く眠れるようになりました。
夫とムスメが別の部屋で、わたしに遠慮なく話したり笑ったりしながらゲームをしている声は聞こえるけれど、今までより遠いし、こちらは真っ暗なので非常にマシでした。
今まですごく気を使わせていたのでお互いに最善に解消できてよかったです。

こんなふうにわたしだけではなく家族みんなで長年我慢していたようなことを解決するようにしています。
すごく変えたことはもうひとつあって、コロナをきっかけに家庭のあらゆる我慢を解消しようってなったとき、ふと夫はお惣菜やジャンキーな食べ物が好きだけどわたしに合わせて食べないようにしている、と思いました。
『あなたの健康のために』と言って夫も納得していたけれど、好きなものを長年我慢させてそれはストレスだっただろうと思いました。
夫にそう話してみたら、じゃあときどき食べようかなぁ!ってうれしそうでした。
そんなふうにわたしが家族にしていたコントロールをどんどん手放しました。
そうすると夫が自分で体重管理や食べるものを気にするようになりました。
これも良かったです!
正論でもチクチクとしたことを言うのも言われるのもイヤですよね。

そのように主婦として妻として世間の物差しからは外れているけど、でも我が家は前よりすごく明るく穏やかになりました。
母とは、妻とは、親とは、家族とは、って一般的な型があるけど、わたしを含めみんな無意識にその型にハマろうとしてその負担に自ら苦しんでいるように思いました。
ひとりひとりちがう個性の集まり。
よその家族には分からない自分たちの自由なかたちのバランスで成り立つほうが『自然であたりまえ』って思います。

本を書くことをやるかやらないか決めるとき、わたしはだれにも相談せず自分のきもちだけで決めました。
女性にありがちな、夫や家族に迷惑がかからないようにがんばる、なんていう制限の前提は思いませんでした。
今文章を書いているから忙しい、って言えるようになれたのはやはり石とともに過ごし続けたからです。
母としてのわたしが思うことや妻としてのわたしが思うことはすべて子や夫に合わせての考えであり、それは本質のわたしではないことを、石たちがくりかえし『あなたはどうしたいですか』って問いかけ考えさせてくれました。
違和感を解決していくだけでわたしがわたしに目覚めて戻り、妻や母という立場から遠くなりました。
以前に比べたらずいぶんと時間を作りだすことができています。
その時間で文章を書いたり、自分について考えたり。
そのままそれが『自分を生きる時間』になっています。
やっと自分の人生が始まった!って思うんです。

環境を変えるって大変です。
ひとりでは大変だけど、暮らしの場である家庭を良い場所にしよう!ってみんなに話してみんなでやるとみんなの共通意識になりみんなで変われます。
家族は長い付きあいだからこそ、この人はどうせこう、という目で見てしまうけどその決めつけや想像に気をつけます。
身近な人に決めつけられると腹が立つし、変われなくなりますから。
言葉も波動そのものです。
苦情こそ丁寧に優しく話すことを心がけます。
みんなで居心地よくしようねって言いあい共有するだけで、雑で乱暴な振る舞いや言葉づかいが激減しました。
そしたら家庭の雰囲気が明るくなりました!
明るく軽く変わったことを体感して思うけど、ストレスや我慢は本当に重たいんだということです。
以前の雰囲気には戻りたくないです。

変えにくいことは置いといて、小さなストレスから積極的に解決することをオススメします。
ちょっと使いにくい道具を使いやすい道具に買い換えるとか、そんなささやかな小さなストレス。
好みじゃなくなったモノも手放してしまう。
お気に入りに買い直してバージョンアップする。
使わないけどなぜか捨てたくない。そこには自分のこだわりやたいせつな想いが有ることを改めて感じられるでしょう。
たいせつなモノばかりの部屋ってくつろいで心が満たされます。
満たされてくると大きなストレスに立ち向かうチカラがまとまってきます。
心のなかもおなじです。

合わせるなら自分の基準に合わせる。
家族ひとりひとりに合わせる。
それらを混ぜて自分の家族のカタチとする。
ほんとうはかなり、家庭ってそれぞれ比べられないほどオリジナルになるって思います。
開き直ってそれでいいんじゃないでしょうか♪

まわりを気にしたり合わせすぎることをやめて、自分とつながる。
そうすると自分と対話しやすくなります。
内観は常に『あなたはどう思う?どうする?』という問いに対して考えることです。
ストレスや問題を解消し、軽やかに考えられるようになった心で内観するとすなおな自分とつながれるって思います。

 
 
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