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なぜ私たちは「効く石」をお約束しないのか

社長コラム

なぜ私たちは「効く石」をお約束しないのか

「この石、恋愛に効きますか?」「金運は上がりますか?」——お店をやっていると、よく聞かれる質問です。気持ちはよく分かります。でも正直にお答えすると、私たちは「効きます」とお約束できません。石屋でありながら、変な話に聞こえるかもしれませんが、その理由を順にお話しします。

「効きます」と言い切るのは、正直ではないから

これまでの記事でお話ししたとおり、石に念は込められませんし、水晶はむしろ世界の“時間の基準”になるほど安定して、外からブレません。つまり石は、あなたの人生に外側から作用する“装置”ではないのです。だとすれば、「この石を持てば願いが叶う」と断言するのは、どう考えても正直ではない。元エンジニアの私は、根拠のないことを「効きます」と言い切ることが、どうしてもできません。

「効く石」という言い方は、向きが逆だから

そもそも「効く石」という発想そのものに、危うさがあります。「石が何かしてくれる、あなたはそれを待つだけ」——これは依存の構図そのもので、力が石の側にあり、あなたは受け取る側、という前提です。けれど本当は逆で、動くのも変わるのも、いつだってあなた自身なのです。

“効く約束”の怖さを、身をもって知っているから

これは、私の苦い経験ともつながっています。私は昔、「任せておけば大丈夫」という“効く約束”を信じて、全財産を失ったことがあります。根拠のない約束ほど甘く響き、そして静かに人を弱らせる。その怖さを知っているからこそ、お客さまに「これさえ持てば大丈夫」とは、決して言いたくないのです。

では、何ならお約束できるのか

胸を張ってお約束できることもあります。その石が本物であること、美しいこと、私たちが心を動かされて一つひとつ選んだものであること。これは自信を持ってお渡しできます。そして「効果」については、断定する代わりに、「私はこう感じました」という体感の一例として、あるいは「古くからこう伝えられています」という昔の人の言葉として、正直にご紹介しています。

約束はしない。でも、嘘もつかない。

逆説的ですが、「効きます」と言わないことこそ、いちばん信頼していただける形だと考えています。本当に何かが動くなら、こちらが約束しなくても、あなた自身が感じるはず。約束が必要になるのは、たいてい中身が伴わないときです。だから私たちは、約束しない代わりに、正直でいたい。石は何もしてくれませんが、あなたが一歩踏み出す背中を、そっと押すきっかけにはなるかもしれません。主役は、いつでもあなたです。


正直に選んだ一石を、あなたに

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