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クォーツ時計の“クォーツ”は水晶|元エンジニアが語る、水晶が時間の基準になる理由

社長コラム

クォーツ時計の“クォーツ”は水晶|元エンジニアが語る、水晶が時間の基準になる理由

前回の記事で「石に念は込められない、安定しているのはいつも石のほうだ」とお話ししました。今回はその“安定”を、物理の側から少し掘り下げてみます。元エンジニアの私社長が、できるだけやさしく。

あなたの時計やスマホの中にも、水晶がいる

「クォーツ時計」のクォーツ(quartz)とは、水晶のことです。あの正確な時計の心臓部には、小さな水晶のかけらが入っています。時計だけでなく、スマートフォンやパソコンなど、多くの電子機器が水晶を“時間の基準”として使っています。現代の正確な時間は、水晶が支えている、と言ってもいいほどです。

水晶が時間の基準になれる理由

Silver metal wristwatch on a man’s left wrist against a white background, showing a dark dial and metal band, style of a chronograph accessory.

それは、水晶が驚くほど安定して、いつも同じリズムで振動するからです。水晶(SiO₂)には、電圧をかけると一定の速さで振動する性質(圧電効果)があり、そのリズムが極めて正確です。腕時計の中の水晶は、1秒間に32,768回という決まった回数で振動し、それを数えて「1秒」を生み出しています。機械式時計に比べてクォーツ時計が桁違いに正確なのは、この“ブレなさ”ゆえ。ちなみに、世界初のクォーツ腕時計は、日本のセイコーが1969年に発売しました。

「念を込める」が物理的に無理筋なわけ

ここで、前回の話につながります。水晶は、人類が“時間の物差し”に選ぶほど安定した鉱物です。その物差しに向かって、気分で揺れる私たちが「念を込めた」「波動を転写した」と言う——いかに無理があるか、伝わるでしょうか。水晶は、こちらの揺らぎを受け取るどころか、ただ静かに同じリズムで振動し続けているだけ。安定しているのは、いつも石のほうなのです。

それでも、石をそばに置く理由

では石に意味はないのかというと、私はそうは思いません。これは私の体感の一例ですが、そんなに安定して揺るがないものが手元にあると、不思議とこちらが少し落ち着きます。石が何かをするわけではなく、ただブレない小さな存在がそこにある、というだけ。古くから水晶は「心を鎮める石」と伝えられてきましたが、近い感覚かもしれません。神秘の力を無理に着せなくても、「世界の時間を支える鉱物」という本当の姿のほうが、私にはよほど魅力的に映ります。


静かな一石を、そばに

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